生地は、製品の印象を大きく左右する「デザインの一部」です。

どんな生地を選ぶかによって、同じデザインでもまったく別の仕上がりになります。

また、生地によっては縫製の可否が変わるため、デザインを考える前に生地を決めるのが基本です。


① 生地の大きな分類

生地は大きく分けて次の2種類です。

種類 特徴 代表的なアイテム
布帛(ふはく) 伸びない生地。縦糸と横糸で織られている シャツ、スカート、パンツなど
ニット・カットソー 伸びる生地。ループ状に編まれている Tシャツ、スウェット、カットソーなど

「ニットを縫ったもの」が「カットソー」と呼ばれます。

つまり、素材そのものが伸びるかどうかが最初の分かれ道です。


② 生地の厚みで変わる対応範囲

生地は厚みによっても扱いやすさが変わります。

厚み 生地の例 特徴・注意点
厚手 デニム・帆布など 縫い代が重なると6重以上の厚みになることも。専用ミシンが必要。対応できる職人が限られます。
中肉 ツイル・オックスなど 一般的な洋服づくりに向く厚み。対応できる職人も多く、扱いやすい。
薄手 ローン・ブロードなど シャツやブラウスなどに使用される。比較的扱いやすい。
極薄 オーガンジー・シルクなど ズレやすく、縫い代がよれやすいため高い縫製技術が必要。

厚手や極薄素材は、専用設備や高い技術を持つ職人に依頼する必要があり、

結果的に費用が高くなる傾向があります。


③ 特殊素材を使う場合

以下のような特殊素材を使う場合も、対応できる職人は限られます。